2015年03月27日

東洋ゴム工業の報道に思うこと

東洋ゴム工業が、自治体や民間に納入した免震システムが、必要とされる性能を満たしていないことが、問題になっています。
思うのですが、これに関するマスコミ報道が、どうも過熱しているような気がしてなりません。

会社側に重大な責任があるのは言うまでもありませんし、説明や交換などの措置は当然必要になります。再発防止についても厳しく求められるべきでしょう。社会的影響が大きいことは否定できませんし、過去の地震で問題が起きなかったことは言い訳にはなりません。
ただ、それが行き過ぎ、会社の信用低下やバッシングにまでつながるのは問題と考えます。

今回の問題は、会社側が自主的に調査公表しました。前任の担当者が試験データの捏造を行い、それを後任の担当者が発見、それを会社側が公表したとのことです。
事故が起きたとか、公的機関の調査によるものであれば、厳しい評価もやむを得ないと思うのですが、自主的な公表の場合にまで、厳しい態度で臨めば、今後、公表を渋る企業が出てこないでしょうか?

もちろん、原理原則で言えば、会社にどのようなことが起きようとも、公表すべきは公表すべきということになります。
しかし、これが信用低下を招くとなると、本当に正しい経営判断といえるでしょうか。「馬鹿正直」という言葉が表すように「企業生命を犠牲にしてまで公表するのは経営者失格だ」とする意見は当然出てくるでしょう。
こうなってくると、公表に踏み切った経営者が無能呼ばわりされ淘汰される、取締役会で公表すべきという声を発信しにくくなる、さらに、発見者にまで累が及び社内での地位が危うくなる、という弊害が出てくることが目に見えています。

自首すればチャラになるのはコンプライアンス上いかがなものか?という疑問を持つ方もおられるでしょう。しかし「自首すれば無罪放免」と「自首すればやり直し可能」は別物です。きちんと責任は問われるのです。

思うに、企業が一番恐れるのは、信用失墜で回復不可能なダメージを受けることです。
短期的な業績悪化などが起こるのは仕方ないにしても、とにかく、信用回復がすべてです。
下手に信用を失墜させないためにも、報道機関は、自主公表か、はたまた悪意のある事例かを、きちんと強調して報道すべきです。

コンプライアンスという言葉を振りかざすことに夢中で、不正が行われてしまったらリカバーするという、本当の意味でのコンプライアンスがないがしろにされていないでしょうか。
企業不祥事案件がニュースを賑わすことが多くなってしまった今、やり直したいと思っている企業に対し、どのような視線を向けるか、社会全体で考える時期に来ていると言えましょう。
ステマやコンサルタントを駆使してネットやマスコミ相手にうまく立ち回れる企業ではなく、正しい経営を行おうとする企業にこそ、生き残って欲しいと思います。

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posted by 堤朋之 at 00:21 | Comment(0) | 社会